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バタフライシーカー 感想

 14, 2018 23:01
シルキーズプラス A5和牛 『バタフライシーカー』

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ななリン、あけいろとサスペンスエロゲの良作を繰り出したシルキーズプラスの(ラインは違いますが)新作。
妙に治安の悪い都市で活動する学生捜査員(ムシクイ)の活躍を描く作品。
無茶でご都合主義な設定ですがまぁエロゲですしそこは別にいいです。問題はそこまで無茶をした意味があるのか、作品の出来の方ですので。

クリアした結果ですが、非常に良かったですね。
死体に触れることで死の遠因を垣間見る「バタフライシーカー」能力を持つ主人公と仲間たちが手がかりを集めて犯人を追い詰めていく主軸に、伝説の連続殺人犯「蜘蛛」が絡む、真っ当なミステリエロゲに仕上がっていました。

テキストはごく読みやすく、誤字脱字も気にならない程度でシナリオに没頭できます。いいね。
最初の事件は連続拷問殺人事件。これだけで猟奇犯罪好きにはたまらないです。
主人公の能力で見える映像はあくまで死の遠因なので直接事件の証拠となったりしないのが非常にもどかしい。
でもこのバランスが素晴らしいですね。
地道に手がかりを集め(その過程にややご都合はあるものの)、証拠を固めて状況を整理していくのはとても面白い。
文章の穴を埋めていく推理パートは推理というよりはまさに状況整理。テキストを読んでいればすぐ分かる難度なので物語の邪魔にもならず、いい塩梅。
拷問殺人は犯人の動機も面白いし、梓センセが巻き込まれたり、巻き込まれた事によって被害者の共通点が浮き彫りになったり積み重ねが良いです。
解決の力業がちょっと気になったけど、主人公含めたムシクイメンバーのキャラ性を際立たせるという意味ではこれでも良かったのかな。

んでその後各ヒロインごとに別の事件を追うのが個別ルートになります。
不規則連続殺人、連続撲殺事件、連続絞殺事件と興味惹かれる事件が目白押し。
私はこの中では、羽矢ルートの連続撲殺事件が一番好きでした。
この3事件と平行して、蜘蛛復活を思わせる連続殺人もあったりするわけで米花町や不動高校も顔負けの無法地帯ですな。
すべての元凶的なものを最後に出してきたのはちょっとどうかと思わなくもないけど、それを含めてよくまとまっていたと思います。
トゥルーでは序盤から巧妙に配置された布石、伏線もそれなりに回収されるので上手いなーと思いました。
ただ明かされた真実の通りなのなら、犯罪の専門家でもない蜘蛛がなぜ犯罪心理にあそこまで精通しているのか、気になります。
独房で主人公のために犯罪の勉強してるのかしら?

とにかく、エロゲとしては比較的真っ当にミステリしていたのが好印象でした。
シナリオで好ましかったのは、バッドエンドがそりゃもうバッドだったこと。
死んだり殺されたりと絵に描いたようなバッド。そこを日和らなかったのは素晴らしいことだと思います。
一番好きなバッドは優衣ルートかな。まさに呪縛。
なんなら優衣BADはトゥルー含めた全エンドで一番好きまであります。

もうちょっとグロイシーンがあれば小躍りしたんですが、そういうシーンは皆無でしたね。もちろんテキストでの説明はあるんですが、絵での表示は無し。
せめて被害者の共通の傷跡とかは絵で見せればユーザーもすぐに気付けたりするんじゃね?と思ったり。
グロい死体もオンオフできるようにすればとか。
ななリンやあけいろはその辺容赦なかっただけにちょっと期待はずれではありました。些末な部分ですが。
そいえば、猟奇犯罪・シリアルキラーにありがちな、性に絡んだ事件が無かったですね。ラストのシリアルキラーキラーは犯人サディストだったので性的に興奮してたかも知れませんが、他に取り上げた事件は見た目はどうあれ犯人の意図としての性的なものは無いのが意外。エロゲなのにね。

私事ですが、過去にちょっとだけミステリに傾倒していたことがあるので、どの事件も先行する作品をを想起させるものがありました。
無論完全なオリジナルの事件を作るのは難しいですし丸パクリというわけでもないので気にするほどでもありません。
ただ知識としてそういう作品群を知っていたので事件の真相に当たりをつけやすかったなーとは思いました。


ヒロインキャラはどれも割と好印象。
地味巨乳先輩も元気系武闘派後輩も姉系保護者先生も大好きです。
この中だと後輩羽矢が好ましいかな。あのまっすぐさは非常に良いと思います。
その直情径行ゆえの危なっかしさ含め愛おしいキャラでした。シナリオもそこそこ。事件自体の面白さもさることながら、その素性が主人公と意外なつながりもあって良かった。ただ、その告白を初えっち後のしあわせ一杯ピロートークでやってしまうのはちょっと性急すぎかな。
先生は個別ルート無いのが残念。えっちはあるけど。
千歳先輩は過去が重いよ。方向性は違えど両親絡みのトラウマということでグリザイアのさっちんを思い起こしました。
事件自体は物語の本筋からちょっと外れてましたけど、先輩個人の問題に直結するという意味で良い話だったと思います。

…メインの中から意図的に2人飛ばしました。
人の感情の機微に敏い同級生天童優衣。
見た目は良いんですが、やや苦手。嫌いではないんですが、結構主人公の内面にズバッと斬り込んでくるのがちょっとなーと。
えちーはドエロかったので良いんですが。

それから主人公の義姉。
これはもう別格中の別格。
おねーさんで、CVかわしまりのなんですからもう勝利は約束されたも同然。
そして当然のように圧勝していくあたりかわしまりのは神
その愚直なまでの主人公愛が凄まじかったです。
ちょっと趣は異なれど、なつくもゆるるのお姉ちゃんを思い出しました。なおこちらも中の人はかわしまりのの模様。
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えっちーは非常にえっち。
回数は多くないし、特別アブノーマルな行為があるわけでもないけど、構図が絶妙だったりしてなんというか、こう、「刺さる」エロが多かった印象です。なので万人にとってエロく感じるかどうかは分かりかねます。
羽矢にあった添い寝ピロートークを全員に完備してくれたらなお良かったんですけどね。
優衣には全裸で抱擁しあうのが有りましたが。
あとやはりもう一回ずつくらいはえっち欲しかったかなぁ。
でも全体にボリュームが無い構成なのでシーン入れるのは難しいかな?
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システム的には可もなく不可もなく、必要最低限は揃っている感じ。
ただバックログからジャンプできないのが減点ですね。
やっぱり今どきはこの機能が欲しいのですよ。
推理パートのムシクイ穴埋めは難易度も適度で良かったと思います。
パッチ当てれば正解した体で進めることもできますし。


全体的に見て、非常に良く出来た作品だったと思います。
まだ今年も序盤ですが新作では一番好きですね。大昔、デアゴスティーニのマーダーケースブックを猟奇殺人の号だけ買い集めていた私にとってはとても興味をそそられる内容でしたし、普通に満足。
ただ、ちょっと触れましたがボリューム不足を感じないでもなかったですね。
もう少し長めのボリュームを取って欲しかった部分もチラホラ。特に恋愛部分にそれを感じます。
告白からエッチまであっという間ですし、先に述べたピロートーク中に重大事実をぶっ込んできたりする構成もボリューム不足の為せる業なのかなーと。もうちょっと積み重ねみたいなのがあれば唐突感無かったと思うんですが如何に。
ただ、このくらいの長さがプレイしやすいの言うのも事実なのでその辺りのバランスは難しいところではあると思います。
それから、ななリンなどに比べてコメディ成分が少ないのもちょっと残念でした。終始クソマジメという訳ではないにしろ、もう少し笑いの要素があっても良かったかな、と。その方がムシクイというチームの魅力がもっと出たんじゃないでしょうか。

そんなわけでとても良かったのでトゥルーエンド後の、新年度に入ったムシクイチームでの続編が見たいです。
千歳先輩は卒業してしまいますが、彼は加入するでしょうし、新入生の新ヒロインを加えたりして。
トゥルーだと誰ともくっついていないから行けるでしょ。
シルキーズプラスさんは是非に作ってください。

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